睡眠時無呼吸症候群に
ついて

睡眠時無呼吸症候群イメージ画像

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気です。
脳神経の病気によって生じることもありますが、日本では睡眠中に上気道が閉塞してしまうことで、無呼吸もしくは低呼吸状態になる閉塞性睡眠時無呼吸症候群がおよそ9割を占めています。
30代~60代くらいの男性に多い疾患ですが、太っているかどうかはあまり関係がありません。日本人は下あごが小さい人が多く、体格的に睡眠時無呼吸症候群になりやすいといわれます。それ以外にも首が短い、舌が大きい、歯並びが悪いなどの体格的特徴があると罹患しやすくなります。
睡眠中のことなので、なかなか気づかない方も少なくありませんが、中等症以上放置していると死亡リスクが高まるので、軽視は禁物です。ただし、きちんと治療すれば健康状態を改善できますので過度に心配する必要はありません。

睡眠時無呼吸症候群の症状

症状は睡眠中(夜間)のものと日中のものに分かれます。最も多い症状は睡眠中のいびきです。いびきがうるさいとご家族や周囲の方に指摘されたことがきっかけで治療を始められる患者さんも多くいらっしゃいます。この疾患の方は空気の通り道が塞がってしまうことが多く、いびきが生じやすくなります。睡眠の途中で目が覚める方も多く、熟睡感を得ることが難しくなります。その結果、日中に強い眠気やだるさが症状として現れるのです。

睡眠時無呼吸症候群の治療

軽症の方は減量や仰向けに寝ない、寝る前のアルコールを控えるなどの生活習慣で一定程度の改善が見られます。マウスピースを使用することもあります。しかし、中等症以上になるとマウスピースはあまり効果がなく、生活習慣の改善だけでは十分な治療とは言えません。
中等症以上の方は一般的にCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が選択されます。この治療は、睡眠中に鼻に装着したマスクから適切な圧力をかけた空気を送り込み、気道を広げ、無呼吸を防ぐ方法で、日本だけでなく欧米でも普及しています。患者さんにもよりますが、通常は治療を開始した当日からいびきをかかなくなり、朝もすっきりと目覚めることが可能です。
CPAP使用中は睡眠時のデータを確認しながら治療を進めるため、1か月に1回程度定期的な通院が必要です。